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April 14, 2004

ムスリムは

今イラクの空の下では、日本人3人の命が取引の材料として危険にさらされています。

もっともイラクでは毎日無辜の命が戦闘で失われているわけで、もっと良くない状況が日常になっているわけですが。
しかし世間の目は、どうしても「まさに失われようとしている(と、見てよくわかる)命」に目を奪われがちになるのも事実です。それが同じ国の人間ならなおさら。

事件発覚から3日目が始まった夜中に飛び込んできた吉報に、「ああ無事に済んで良かったよかった」と思ったのも束の間、今度は犯人とされる武装集団からろくな音沙汰もなくなってしまいました。一刻も早い無血解決を祈ります。

こんなわけで今回は、その吉報にまつわって聞いた話題をメモしておくことに。

吉報というのは即ち、イスラム宗教者委員会の働きかけによって武装集団が人質解放へと方向転換した、と言う報せのことなのですが。
実はこの転換は、とても大きな意味が秘められているのだとか。

まず、その1。
ムスリム、つまりイスラム教徒にとって、約束という行為は絶対におろそかにしてはいけないものなのだそうです。従って一度口にしてしまった約束ですから、守らなければ、この武装集団のイラク国内での株はがた落ちになってしまうのだと言います。

次にその2。
アルジャジーラで放送された最初の映像で、どうも人質となった3人は女性も含めて縛られていたらしいですね。この「女性を縛る」という行為、これはイスラムの間では最大の恥とも言えるのだそうです。
イスラムの女性と言えば全身を隠して屋外へも滅多に出ない、不自由な生活を男に強いられているように思われますが、こと「家の中」では、女性はたいへん大事にされている、と言っていいかも知れません。その女性を縛るなんて、イスラムの男としては許せないのだとかで、この武装集団の株は既に下がっているのかも

そしてその3。
そんなわけで家の中では強いイスラムの女性ですが、特にそれぞれの家の「お母さん」は、家中では絶対的に強い存在であるようです。権力があると言うこともできるでしょうし、何より家族の人望の集まるところ。家族は母親の言うことには従いますし、母親を慕います。だから、買い物帰りなどには何も持たずにさっさと歩く母親の後を、大荷物を抱えてふうふうと付いていく男達、と言う光景も見られるのだとか。
人質に取られた日本人3人の家族の方が、2日目にアルジャジーラの取材を受けていましたが、その映像はイスラムの庶民には衝撃的だったようです。

「お母さんを泣かしてどうすんねん!」>武装集団

……ああ、株下がりまくり。>武装集団
お母さんに涙を流させる、その図はイスラムの人々にとってはやっちゃいけないことの一つであるようで。

そんなこんなの理由から、宗教者委員会に言われるまでもなく「……ちょっとやめとこか。」と言うことになっても、不思議ではない、ということらしいです。
(もっとも又聞きの話なので、多少脚色や誤解が入っているかも知れません。)

余談ですが、どうも方向転換した言い訳として武装集団は「日本はアメリカの被害者だ。我々と同じく戦争に敗れ、ヒロシマ・ナガサキに原爆を落とされた」とか何とか言ったらしいですね(^^;。何ともこう、「今その話題で話をするか?」という感じで苦しいことこの上ないのですが、この際は、ありがたい言い訳ではあります。

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